1.腎臓手術のあたりからか、この度を越した「いい人」が熱を持ち始め、ジミーが駆け落ちすると言い出すあたりの演劇的切り返しシーン、後ろの幕がパッと落ち楽屋が見える、あそこらへんあたりからちょっとノレてきた。大半は原田芳雄の魅力に掛かってたけど。越路吹雪の弟として「愛の讃歌」をやるのが、隠し芸的な興味ながらも見事。姉の身代わりに受験したっていうの。あと天皇の戦争責任を許してもらうためにマッカーサーに身を捧げたひばりの隠し子、なんてのも面白くはある。深読みするほどの意味はないと思うけど(芸能とは…、というところでドサ回りとつながってはいるか)。まだこの頃はひなびた風景がけっこう残っていた。