1.倦怠期の夫婦、ついに夫が不倫を! というと、暗いイメージを抱いてしまうけど、
小津作品としては異色の設定でも、主人公であるサラリーマン族の悲哀やペーソスを中心に、
あくまで軽快なタッチで描いてます。もちろん主人公の不倫のほうも。
それがどうしても物足りなさを感じてしまう。不倫以外のエピソードは他の作品でも観れるし、
同監督の「風の中の牝鶏」ぐらいはぶつかってくれないと、面白味がない。
もうこの頃の小津作品はカラーも決まっちゃってるし、仕方がないのかなとは思うけど、
不倫のエピソードを入れた意味をあまり感じなかった。というわけで、
小津色は色濃く出ている作品ではあるので、小津ファンなら十分楽しめるかと。