3.戯曲の映画化ということで非常に軽快且つユーモラスな演出。
こうした映画を撮らせても本当に上手な監督。
演技派を取り揃えての洒脱な進行と楽しい作品ではあるが、
なんというか主役の芸術への狂気みたいなものがあまりふれられておらず、
厄介な江戸っ子止まりだったような気がしてならない。
むしろ滝沢馬琴の生き方をヒューチャーした部分のほうが、
映画として面白さを感じてしまい、ついには北斎が邪魔というか、
鬱陶しい人物にみえてきて、これは一体何を目的としているのか、
茫洋とした気分で終りまで付き合いました。
笑えるシーンは多いけれどもどこかコントじみており、
裸だしときゃいいんだろ的な感覚が全体として高く評価はしがたい作品。