1.《ネタバレ》 リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世の作だけあって、ミュージカルとしてはまったく申し分なし。有名な「魅惑の宵」「バリ・ハイ」はもちろんのこと、「ワンダフル・ガイ」「私に告げて」「ハッピー・トーク」などどれをとっても大変魅力的である。
それに加えて南国の島の美しさ、この音楽と映像の美しさが背景にとなる太平洋戦争とがなかなかマッチしない。戦争というのに、歌ったり踊ったりのんびりしているし、真剣に闘っているようにも思えない。
また逆にあれほど「戦争は嫌だ、平和な暮らしを壊したくない」と作戦協力を拒否していたエミールが、ネリーとの結婚がままならぬとあっさりと戦争に加担してしまうし・・・。それほど安っぽいものだったのかと落胆してしまう。
また人種差別も結構引っかかる。ポリネシアンを低く見ていたのを教育のせいにしてしまったが、おそらく敵国日本は「黄色い猿」とか何とか言っていたのだろう。むろん日本も「鬼畜米英」と言っていたわけではあるが・・・。