7.《ネタバレ》 織田裕二演じるアキラの出番が多く、実質的に江口洋助とのダブル主人公となっているのは、原作通り。
けれど、映画単品として考えると、少々バランスが悪いようにも思えましたね。
観客としては、単身で敵地に乗り込むアキラを応援したくなるのに、最後は江口が助けに駆け付けてオイシイところを持って行くのだから、何だかズルい感じです。
喧嘩シーンに関しても、頑張っているとは思うのですが、原作の豪快な魅力とは違う路線なのですよね。
同時代の不良漫画「BE-BOP-HIGHSCHOOL」が、原作はリアルなのに実写映画は破天荒アクション。
そして湘爆は原作が破天荒なのに、映画は比較的リアルなアクションという形となっており(逆だよなぁ……)と、ついつい思ってしまいます。
仲間五人で集まって、一杯のラーメンを分け合うシーンの馬鹿々々しさなんかは、結構好み。
金欠に悩む主人公達が、暴走族を「アドベンチャー茶道部」と言い張り、学校側に予算を求める件も面白かったですね。
その場面にて、他の部活動の面々が、ご丁寧に野球やラグビーのユニフォームを着ていたりする漫画的な分かり易さも、ベタな笑いに繋がっていたと思います。
「族の縄張り争いで喧嘩するより、一緒に単車で走った方が楽しい」というメッセージを最後に据えて、綺麗に纏めてみせた点も、非常に好印象。
絶賛するのは難しいけれど、何だか憎み切れない、愛嬌のある映画でした。