1.《ネタバレ》 零細農家にとっては、男手は子どもといえども貴重な労働力のはずだが、そんな中そもそも何故イサム君を養子に出さなければならないのかが、いまいち明確ではないような気がした。イジメなどが理由のようだが、海外にまで養子に出す理由としては少し弱いと思う。またイサム君を養子に出すのなら、何故もっと早い時期に、物心がつかない幼い頃にどうにかしなかったのかも疑問だ。加えて、アメリカの養子先が「農園」て、おいおい、それってプランテーション奴隷だろ!果たしてこの選択がイサム君にとって最善だったのかどうか甚だ疑問だ。結局、手紙とかも来ないまま終わりだし。その後彼がどうなったのか、きちんとフォローして欲しかった。また更に言えば、この二人の子どもが、何故祖母と一緒に暮らすようになったのか、その辺の経緯が、きっちり描かれていないので感情移入しづらかった(話としては親子とも黒人米兵に捨てられたようだが…)。母親と父親の黒人米兵のエピソードをすべて端折った上で、小学生から話を始めるというのはいかにも唐突という印象を拭えない。二人の笑顔と元気な姿は、確かに素晴らしいし勇気付けられる。いい作品ではあるのだが、内容的には如何せん「ただそれだけ」になってしまった、というのが小生の感想である。申し訳ない。