2.子連れのロードムービ的な作品で少々異色。子供との別れのシーンはちょっとクドイかな?あんなに怒らなくても寅さんらしくサラリとかわして欲しいところ。満男との柴又駅前のやり取りは名場面のひとつ。マドンナや、とらやとの面々との交流が薄いのが難点。
<追記>14年ぶりに再見。秀吉との別れのシーンは『シェーン』というか『遥かなる山の呼び声』のパクリだね。全体的には「人間は何のために生きるのか?」「幸福とは何か?」といったシリーズの普遍的テーマを全面に押し出しているものの、マドンナの存在が終始つきまとう五月みどりのせいでやや中途半端でバランスが悪く、全体的なまとまりに欠け作品に締まりがない。そもそも不倫中?で中絶経験まで告白されちゃあ、寅さんもノー天気に惚れるわけにもいかないしマドンナの設定としてどうなのかと。寅さんも仲間のために人探しをする無欲の善人になってしまっていて、御前様からは仏扱いされちゃうし、いつもの寅さんとは違う描き方なので、少々物足りなさもある。