3.汚職事件を担当する検事が容疑者の妻と不倫関係になるというサスペンスメロドラマ。監督は岩下志麻主演の「古都」で京都をこれでもかと言わんばかりに美しく撮り上げ、格調高い傑作に仕上げていた中村登なのだが、本作はそつなくまとまったプログラムピクチャーという感じ。主演の有馬稲子は確かに魅力的で演技もうまいと思うものの、なにかしっくり来ない感じがしたのも事実だし、個人的にはどちらかと言えば助演の桑野みゆきの方が好みだ。検事役の津川雅彦の演技ははっきり言って下手で、今もそんなに好きな俳優ではないが、それでも今のほうがいいと思える。ストーリーはどちらかと言えば汚職事件の絡んだサスペンスよりも、主役二人のメロドラマに焦点があてられてる感じであるが、深みはあまり感じられず、普通に昼ドラでやってそうなレベルなので正直見ていても退屈。しかし、ラストシーンは印象的だった。