10.《ネタバレ》 是枝裕和監督の作品を最初から最後まで見たのはこれが初めて。(「万引き家族」が話題になっていた頃、連ドラの「ゴーイングマイホーム」を見始めて途中で屈折した経験あり。)是枝監督初の時代劇だそうだが、浅野内匠頭の辞世の句の一節をタイトルにしているとおり、赤穂事件を背景に、父の仇討ちを誓ったへっぴり腰の侍(岡田准一)を通して復讐や仇討ちのバカバカしさや無意味さを描くという発想と着眼点は良いし、主人公が住んでいる長屋の汚さなどリアリティのあるセットの素晴らしさなどはいかにも本格的な時代劇という感じがして良かった。また、その長屋の住人たちの人物造形、描写もしっかりとしていて、そのあたりも見ごたえのあるものになっている。それに桜の花が散るのはまた来年咲くためというセリフも心に残る。でもなにか全体的な印象としては弱く、そこそこ退屈せずに見られたものの、ちょっと散漫としていて冗長に感じる部分も多かったのはちょっと残念だったし、さきほど長屋住人の造形や描写がしっかりしていると書いたばかりだが、その中に吉本芸人を三人(上島竜兵、木村祐一、千原せいじ)も入れたのはいささか狙いすぎのような気がした。ラストにかけてももう一つなにか欲しかったところか。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 5点(2024-03-10 15:44:55) |
9.《ネタバレ》 是枝裕和監督による時代劇コメディ。ケンカにめっぽう弱えへっぴり侍を若き頃の岡田准一が熱演。見事なやられっぷり。若き頃の豪華俳優共演なれど、撮り方がまだまだ粗くてナニをしてるのかさっぱり分からねえぞ。オンガクはエンドロールまで全て同じやな。駄作。 【獅子-平常心】さん [DVD(邦画)] 5点(2023-12-04 01:48:43) |
8.《ネタバレ》 江戸下町風俗の再現は見事ですし、個性豊かな長屋住人たちの人物造詣も悪くありません。オチもイイです。クソを餅に変える発想転換とあだ討ちビジネスの痛快さ。個々の要素は本当に素晴らしいと思います。自分好みです。でも1本の映画としてみると、不思議なくらい面白みを感じません。何故か?たぶん核となる岡田くんのあだ討ちエピソードに問題がある気がします。一芝居打って、みんな幸せ。この着地点はOKです。だだ、岡田くんが決闘という勝負から逃げたように見えてしまうのはマイナスでした。宮沢が岡田の心情を代弁するべく熱弁をふるうのですが逆効果です。言い訳がましい。それに宮沢の言葉は、彼女自身に向けられた言葉でもあります。同じ仇持ちでも、岡田と宮沢では立場が違います。前へ進むために仇への憎しみを断ち切る宮沢の決意と、憎くめない相手との戦いに二の足を踏む岡田の心情を一緒にしてはいけません。同一視もほどほどに。個人的には、碁が発端の遺恨なのだから碁で決着をつければスッキリしたと思います。ケジメをつけた上で丸く収まるよう、偽装工作でも何でもすれば良かったんじゃないかと。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-01-19 19:49:14) |
7.是枝監督の時代劇ということで期待してみましたが、割と普通な映画でした。美術や衣装などディテールはかなりいい味出してます。しかし、岡田くんのお芝居は心に響くものがなく、長屋の住人に上島、木村、千原とお笑いを多用した配役は、一人一人の雰囲気はいいものの、集まってしまうとコントに見えていきます。加瀬と夏川のお芝居は良かったですが。そういった意味では期待していた通りの作品ではありませんでした。 【ポテサラ頂戴】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-09-15 10:49:51) |
6.岡田准一よりも加瀬亮の方が存在感があると感じられました。なんだかなぁの群像劇。でもなんだか、戦からも世間からも遠いような長屋のガチャガチャした様子が平和でよかったです。 【よーこ】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-12-03 04:23:47) |
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5.是枝裕和監督による時代劇モノ。実は是枝裕和監督が大の苦手だったりもするので、本作は「浅野忠信の出演作つぶし」としてノルマ的に観た。やはり自分の肌にはそれほど合わなかった。ただ、映画全体がとても明るい感じで作られており、幸せ感に満ちているため、観た後の感じは悪くはなかったが。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-09-04 09:45:58) |
4.なるほど、黒澤の『どん底』の落語版と見ればいいわけだ。たしかに、望遠レンズによる詰まった画面、文句ない凝った美術セット、それから衣装、と見どころはあるわけだが、いかんせん人物の彫りが浅くて、彫りの浅い現代人のドラマにしかみえない。俳優陣の大半が、深みのある時代劇セットの美術に負けてしまっている。これならむしろ現代劇でもよかったんじゃないだろうか。美術賞だけなら10点。 【goro】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-03-01 21:29:52) |
3.『普通』という印象でした。前半から中盤までも淡々としていて、いまひとつのめりこめませんでした。ただラストは痛快でした。まあ全体的に盛り上がりに欠けるちょっと眠くなるような作品でした… 【mako】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-02-18 23:05:52) |
2.《ネタバレ》 赤穂浪士を絡め、敵の家庭環境を強引に描写し、伏線と思わせる部分もかなりあざといものだったのでこれを最後にどう料理していくのだろうと期待した。結果、かなりの消化不良を起こしてしまった。作品の生命線たる「生きたい侍の仇討ち回避」が余りに説得力がない。2時間をとても長く感じさせることとなった。ただ、最後の笑顔は良かったし、黒澤の「どん底」を思わせる美術部門と違和感を与えない見事な照明部門は秀逸。 |
1.う~ん、、えっと、衣装や美術セット、それにリアリズム志向の照明はすごく良かったと思います(後で、溝口や黒澤の作品に携わっていたスタッフが参加していたことを知り、納得)。それに、武士を主人公にしながら、人間の「弱さ」と「したたかに生きる力強さ」を描こうとした姿勢はとても現代的で評価したい。例えばこれが、短編小説として発表されたものだったら、とても良質な好篇になっていたと思う(こんなことを映画作品に言うのはかなり失礼かもしれないけれど)。でも、映画としては、、一言で言うと「ピリッとしてない」んだなぁ、何か。不遜と傲慢を承知で言えば、映画作りを頭の中だけでやっていて、血肉化してないというか、、う~ん、是枝監督の作品好きだし、今回の作品は意欲的なチャレンジだったと思うし、褒めたかったんだけどなあ、、あ、あの、いつもぷりぷりしてた田畑智子は可愛らしくて良かった。・・・最初の方のお風呂のシーンで岡田君のフンドシ一丁の裸姿でも見せてくれてたら、もちょっと評価高かったんだけどな(ナンデヤネン)。 【ぐるぐる】さん [映画館(邦画)] 5点(2006-06-06 17:36:13) (良:1票) |