2.《ネタバレ》 女子の体操競技には、あまり興味が無かったような自分にも分かりやすく、楽しめる内容となっていましたね。
編集のテンポが良く、音楽もノリノリで、観客を飽きさせません。
レオタードがズレるのを防ぐ為に、滑り止めのスプレーを吹きかける場面などの
「詳しい人なら知っているので、ついつい説明を省いてしまいそうな部分」
を、きちんと映像化して教えてくれた形なのも嬉しかったですね。
主人公ヘイリーの皮肉っぽいモノローグによる
「体操競技って、こんな感じ」
という解説も、初心者に親切な作りとなっていて、ありがたい。
一見すると優雅で美しい世界に思えるかも知れないけど、その実は血が滲む程に厳しいトレーニングを行っているんだぞ、と分からせてくれる辺りも好みでした。
ただ、終盤の展開には少し疑問というか、観ていて呆気に取られてしまい、最後まで一緒にノリ切れなかったのが残念。
そりゃあ主人公の主張が間違っているとは思いませんし、ブラが見えた程度で減点の対象になるのは納得いきませんが、だからって周りの選手達も揃ってサポタージュしてみせるだなんて、流石に無理があるように思えました。
最後の床運動に関しても、本来なら型破りで痛快なシークエンスなのでしょうが、上述の展開にて興醒めしたせいもあり、どこか距離を置いて眺めるような形になってしまった次第。
気持ち良くハッピーエンドで終わってくれた事も含めて、素直に「面白かった!」と言いたいところなのですが……
やっぱり、クライマックスで不満を感じた以上は、それをやると嘘になってしまいそうです。
何だか自分が劇中の意地悪な審査員になってしまったようにも思えて、心苦しい限り。
それでも、実際に観ている間は、心地良い気分に浸れる場面が幾つもあった映画でした。