3.《ネタバレ》 あさま山荘事件について、事実を忠実に再現している為、事件の理解には役に立った。
この映画の存在価値は、その一点に尽きる。
映画的な面白さに関して言えば、ほとんど無しと言ってもよい。
事件そのものを理解するだけなら、ドキュメンタリーとして語れば十分。
事件を映像として、単調に再現する価値があったかどうか、それが疑問。
革命を起こす為に闘った、彼ら連合赤軍は、彼らなりに命がけで真剣だった。
鬼気迫る状況だったに違いない。
ところが、本作では、その鬼気迫る感が全く伝わってこない。
というより、映画でそれを再現しようとすること自体が、やや無謀なのかもしれない。
何故なら、彼ら「革命戦士」達は、盲目的に国家に立ち向かい、全身全霊でもって国家に対峙したであろうからだ。
そこまで命がけで行動した彼らを、演技で再現しようとしても、無理である。
いくら頑張っても無理だ。
だからこそ、陳腐な雰囲気の再現映画になってしまう。
この映画そのものが、既に企画段階で失敗作であったのではないだろうか。
事件を忠実に再現するだけなら、映画でなくてもよかったと思う。
もっと映画的に作ってほしかった。