1.《ネタバレ》 最近、こういうずっと揺れてる映像ツラくて仕方ないですわ。みなさんヘーキですか。ちっとは年寄りのことも考えてほしいよなあ。だいたいコレなんか若者向けってわけではないでしょうに。
さてヨルゲン役のデブ俳優さんは、あの体型で刑事ドラマの主役を張ってたりしますから、むこうでは売れっ子みたいです。…あのようなブヨブヨ状態の役者が重宝されるというのは文化の違いを深~く感じざるを得ません。
それはともかく、コレなあ、本当に女性のカントクさんが撮ったのかなあ、と私は疑いますね。
かいつまんでいうと、2人の男の人が、「守るべきもの」をめぐって悶々とした人生を送る(一人は死ぬ)ということですね。
ここでは、「守る」の対象は「女子供」ということになっていて、「グローバルな自然環境」とかではありません。「女」と「子供」をいとも簡単にひとくくりにすることも「?」なら、「女子供」=「保護の対象」というそのあまりに迷いのないスッキリした姿勢が…現代女性が監督したものとは到底信じられぬ。
もしかするとこういう根強い思想ってのは、狩猟民族に独特なものなのかもしれませぬなあ。
しかし、時代は現代なのである。シガニー・ウィーバーがリプリーをやってから20数年たっているし、ヨーロッパなら女だって首相になる国もある。デンマークにも「時代」は訪れているはず…?
ああなのに、なのにこの作品では男たちは「守らなきゃ!!!」といってほとんど脅迫神経症みたいになっているのである。40過ぎた美人のニョーボと、もう結婚している18歳のムスメを誰が守ってくれるのだ!!!そうかそれならボクに後をまかせなさい!!!……ヘンだよなあ、やっぱり。
そんな感じの、とってもヘンな話でした。共感も感動もとくにありません。ラストのシーンだけは、ジェイコブの「守りたい脅迫症」が自己満足であったことを示しているのかなあ、と思われますが、そのシーンにたどりつくまでにジェイコブやヨルゲンがそれを自覚するようなシーンに欠けていますから、このシーンだけでは締まりが悪いです。