1.《ネタバレ》 よくある侵略ものなのですが、敵が電磁波宇宙人という点が本作の特徴。ビジュアルの鬼・ティムール・ベクマンベトフが製作を担当しているだけあって、特異な設定に負けない見せ場が準備されている点には感心しました。光を放つエイリアンが迫ってくる場面にはドキドキさせられるし、彼らを撃退する場面には燃えさせられました。ビジュアルだけに注目すれば、よく出来た映画であると評価できます。。。
ただし、映画として面白くないのが難点。大きな問題が2つあって、まずひとつは主人公に魅力がなく、彼らがどうなろうが知ったこっちゃないという気分にさせられるということ。エミール・ハーシュ演じるショーンには最後の最後までかっこいい見せ場がなく、「つまづいて転んだ」「銃が撃てなくなった」などと肝心の場面で足を引っ張り続ける姿には呆れるしかありませんでした。主人公なのだから、もうちょっと男らしく描いてあげるべきではなかったのでしょうか。次に、世界が滅亡の危機に瀕する内容でありながら、全編に渡って悲壮感が不足しているということ。『宇宙戦争』『クローバーフィールド』等、このジャンルの成功作は徹底した地獄巡りをその内容としていましたが、一方で本作は何となくのどか。容赦のない殺戮シーンが不足しているし、わずかな生存者たちも妙に前向きなので、作品に重々しさがありませんでした。