3.《ネタバレ》 原作本未読。映画より先にTV版を観ています。…と、この書き出しは『電車男』のレビューのコピペ。そう、視聴率爆死といわれた2018年1月期のフジ月9ドラマ、芳根京子ちゃん主演の連ドラ版を実は鑑賞済みです。ですから必然的にTV版と比較する感想となりますことをお許しください。さて、2時間映画と延べ7時間半のTVドラマとでは、ストーリーの掘り下げや、各キャラクター造形の厚みに差が出るのは当然です。さらに言うなら“先に”TV版を観ているという刷り込み効果も手伝って、私個人の満足度はTV版の方に軍配があがります(ある意味当然です)。そんな中でも映画版の方に、より心が惹かれたのは、やはり能年さん。“清潔感”や“好感度”は流石NHK朝ドラ主演女優と思わせるものでした(芳根さんにも同じことが当てはまりますね)。能年さんの魅力で一定水準の満足感を担保しているのは間違いありません。あとは、三国志おたくのまややでしょうか。TV版は内田理央さんが務めましたが、これがなかなかの怪演で、声の印象度は圧倒的に内田さんが勝ります。ただ、まややが自身のトラウマを乗り越えてファッションショーのモデルを引き受けるに至った重要シーンは、映画版の方が刺さりました。太田莉菜さんが有する“負のエネルギー”が活きたものと思われます。本来、この映画の感想で書くべき事ではありませんが、もし本作をご覧になるなら、続けてドラマ版を鑑賞することをお勧めします。本作で感じるストーリー上の不満の何割かは解消されるはずです。