1.《ネタバレ》 「最強のふたり」の監督と、主演のオマール・シーが再びタッグを組んだ作品。
期待していたのですが、釈然としない思いが残る作品でした。
「最強のふたり」で見せた、オマール・シーの天真爛漫な笑顔と明るさ。
演じた男が実に魅力的に見えました。しかし本作のサンバにはあまり魅力が感じられませんでした。
脇役ですが友人の偽ブラジル人の方がよほど魅力的に思えました。
しかしその友人も尻切れトンボのように気がついたら作品からいなくなってしまいました。
もう1人の友人である、移民収容センターで出会ったコンゴ人の男との顛末や、
この男の彼女とサンバのエピソードも必要だったのかな?と思います。
そして僕にとっては何ともお久しぶりのシャルロット・ゲンズブール。
あの“なまいきシャルロット”も老けたなあ・・・。という思いもしましたが、
精神的に問題を抱えながらも移民を支援する女性アリスを好演しています。
国外退去を命じられても帰るに帰れない事情を抱える、
貧しいアフリカ諸国から苦労してフランスまでやって来た移民たち。
そんな移民を支援するフランス市民の存在。
フランスの移民政策が抱える問題の一端を垣間見ることはできました。
難しい問題を適度なコメディタッチで描いており、
サンバとアリスの静かなロマンスも良かったのですが、本作のラストにはちょっと納得がいかなかったです。
オマール・シーに関しては、独特の愛嬌があり個性的な俳優だと思うのでコメディ路線での今後に期待したいです。