1.《ネタバレ》 悪いオオカミは、えてして優しい顔と声をしているもんですよね(笑)
イスラエルのお国事情に疎いせいか、いろいろ不思議を感じる映画でした。
なぜ住宅街に放置トラックはあるのに通行人がゼロなんだろう…とか、アラブ人街が近いと言いつつどう見ても森の中の一軒家、しかも出てきたアラブ人はたったひとり、なぜか昼も夜も馬に乗って登場、というシチュエーションに、なぜ登場人物たちは誰も驚かないんだろう…とか。
あと、陰惨なストーリー&シチュエーションのはずなのに、画面がとても明るいのも不思議でした。一番最初のだだっ広い廃屋のシーンも、お日様サンサンでとっても明るい。(だから子どもに盗撮されてYouTubuに流されんだよ…)
拷問の舞台になった地下室も、逃げ出した森の中も、住宅地や警察署と同じワット数で照らされているように、ペカーッと明るいのです。なんだろう、デジタル映像のせい?
そのせいでR18だという事に気づかず、最後までフツーに観てしまいました…。いいのか、悪いのか。
少女の遺体をハッキリ映さないのを観て、ああ、一般向けに配慮しているんだな~と思ったので、後でR指定と聞いてビックリです。拷問シーンも単発で、火責めバーナー以外はなんてことなかったし。
ユーモアをまじえつつサスペンスフルな作品にしたかったのでしょうか。ユーモアが不発なのと、登場人物たちのあまりのドメスティックさとマヌケさに、「コメディだ…」と心がちょっと離れかけましたよ。父親と息子、どう見ても息子の方が老けてるし。てかあれで45歳って詐欺だし。まあ8才の娘の父親という設定なのでもっと若くてもよかったんだろうけど、そしたら刑事とキャラがかぶっちゃうので、あのオッサンぷりでOkなのかなぁ。
ストーリーは、ラストがとても気になるように作ってあり、しっかりオチも用意されているので、面白くないわけではありません。が、イスラエル映画という目新しさが無かったら、もっと評価は低かったかな~。作品の方向性が曖昧で中途半端なのです。もっとブラックユーモアを盛り込むか、迷わずシリアス路線で行くか、どちらかにした方がよかったのでは。
にしても、ヘブライ語って難しいですね…ぜんぜんわかりませんでした(笑)