1.《ネタバレ》 巨人マーク・ライランスの掌の上でヒロインの少女が動き回っている。今では何の驚きも感動もなく受け取られるのだろうが、
ここは素直に驚嘆してみたい。などといいながら、毛布に乗って床をサーフィンするあの芸達者な猫を見れば
アレは本物なのか、CG猫なのかといちいち悩まされるのが癪である。
ポプラらしき並木道を駆け抜けていく黒い影。街燈の灯りを反射する石畳など、夜の英国情緒がいい。
部屋の小道具を駆使して少女が巨人の目から逃げ隠れする長回し、
街中の木々のシルエットなどにカモフラージュしながら闇に紛れて宮殿に入り込むアクションも
それぞれ、「見られてはならない」というサスペンスがそれなりの面白さを生むが、
やはり「見られた」後の減速感が厳しい。