1.《ネタバレ》 個人的にはラストのシーンを深読みする必要はないのじゃないかと思っていますが。行定作品というのは…どうにも見た後に気分が暗くなりますね。
行定作品(除く春の雪)を見るにつけ、この果てしないローテンション、「渡る世間は鬼ばかり」的なものに対するアンチ、というふうに私には感じられてきた。勝手にそう思ってしまうけれど、渡鬼的なものを憎んでいるからといって、ここまでのローテンションというのは…やっぱり私はヤだ。なんだか、うつ病の人しか住んでいない世界、のように感じられる。
で、監督お気に女優の麻生久美子、私には広末涼子との見分けがつかない。どっちにしても、女に好かれないキャラである。私も好かない。そして、「ひまわり」でもほとんどの女性に総スカンを食らうに足る嫌われ女ぶりを発散しまくる。
どういうところがそうなのかというのは女の人には言わなくてもわかると思うけど、ルックスもファッションも朋美の行動もそのすべてが、男性にしかウケないものであって、同時に女性に嫌がられる要素充分なんである。「ひまわり」は、男にウケて女に嫌われる朋美なる女性について、本人不在のところでストーキングしている作品…といった味わいだ。
ところで袴田演じる輝明なる青年であるが、なんと私は見始めて1時間以上経過しないと〝輝明〟が〝モテ夫〟を演じていることに気がつかなかった。…。モテ夫だったのか。しかし袴田って。袴田=モテ夫という役どころに、何%くらいの観客が気がついてくれるのだろうか。私の場合は、輝明=オダギリジョーかキムタクでもなければ、この脚本では気がつけない。
身長があるからといって、袴田が輝明であることはもともと無理だと思うのであるが、実は小学校時代の輝明を演じた少年というのが優れもので、どっからどうみても〝クラスで一番モテそうな子〟であった。いいなあ、この子。
音声が非常に良くない。意図的とは思えないほどの悪さだ。ヘッドフォン装着でも大変苦労した。なんだかとても長く感じてしまった一品だった。