1.テーマは「愛」。テーマに共感できるかできないか。これによって大きく評価が分かれそうです。
人は愛によって生まれ、愛に囲まれ、愛によって成長し、愛によって生きる。
遺伝子がどうとか、役割がどうとかは関係ない。
愛というものを正しく認識し、受け入れられるか。
言い換えれば、他人と繋がることを恐れず受け入れられるか、他人と繋がることを恐れずに求められるか。
自分一人で抱え込み、背負い込み、解決しようとしても、いつか限界が来て自分というものが壊れる。
だから他人を頼れ、他人を信じろ、他人に心を開け。
そう言っています。
よくあるテーマであり、それが人の大多数どころかほぼ全員に刺さり、受け入れられる共通見解、となっていると思います。
しかし、私はそれが絶対の正解ではない、と常々思っています。
というより、大多数がそれを正解というのならば、少数の反対の意見に耳を貸さなければ、結局同じことなのでは?と思っています。
本作のような愛をテーマとする数多の作品によって人々が皆「それは確かにそうだ」「それが正しい」と思ってしまったら、
それって無意識の洗脳と同じことなんじゃないですかね、と思うわけです。
それならば、最初から遺伝子操作して優秀な人間のみを作り出す、ということと同じじゃないですかね、と思うわけです。
故に、「選択肢を提示するから自分で考えてみてね」は良いが、「これが正しいんだ」と主張する作品は好きではありません。
正確には、「これが正しいんだ」と主張された場合、自分がそれに共感できれば良いと思うし、
疑問の余地ありなら良いと思わない、というだけのことです。
愛とは、究極の自己暗示だと思っています。
自分がA(人でも物でも)に対して愛があると思えばそこには愛がある。
しかし、愛というテーマに限らず、「それは本当か?」と疑う心もまた同時に重要だと思っています。
それを疑うことは、えてして得1に対し損9なのかもしれません。
10割心酔してしまった方が、より生きやすく、より楽しく、より「幸せ」なのかな、と常々思っています。
しかし、そういうことが頭の中に浮かんでしまうから、私はそういう人間なんだな、と思うと同時に、
私のような人間がいるから「人類皆○○」にはならないんだな、と思ってしまいます。
故に、本作のようなテーマを前面に押し出す作品はどうしても少数派とされる側の意見を考えてしまい、
別にそれも間違ってないんじゃね?と思ってしまい、結果共感度が下がり、
点数に影響してしまう、というのが正直なところです。
今回は、「どっちの言ってることも別に良いと思う」と思うので、中間の5点とさせていただきます。