3.《ネタバレ》 古びた感じの映像は意味不明だが悪くない。ろくな説明もなしに何となく進んでいくのも悪くないと思っていたが、最終的にはわけがわからなすぎだった。
事実関係については仮に次のように思っておく。
・公園で寝ていた男は多額の借金があってとても全部は返せないので、とりあえず本当に世話になったと思った世田谷区の大澤という人物にだけ返済し、あとは踏み倒した。
・警備員風の男は別件の取り立てで公園に来たが、金を主人公に取られたと思って追って来た。
・外国人の男はただその辺にいただけ。当世風のイケメンだったので、主人公は歩道橋上なら目立たないかと思って立ち止まって眺めていたら、向こうが気づいて目が合ってしまい、気まずくなってその後は避けていた。
また主人公の物語に関しては、次のようなことを少し無理して考えた。
・主人公は、一度は彼氏から金を取り返そうとしてやめていたが、代わりに他人の金を盗んだのでは人の道を外してしまうことになる。結果的にそうならないで済んだのは、いわゆる天の配剤か何かとすれば外国人の男が天使だったとか(根拠なし)。彼氏はまだ返す気があったようだが、取り返しがつかなくならないよう無理のない範囲に止めておけ、という天の警告だったかも知れない(不明)。
・何となくの不安感が続く展開だったが、最後に登場した母親は呑気な感じで一応安心した。怪我させた相手のことより金の心配ばかりするのはわりと適当な人物の印象もあるが、娘としては嫌いでなかったらしい。あんな彼氏を母親が認めるかどうか不明にしても、娘としてはとにかく見せたかったと思われる。母親もああいう曲は案外好きかも知れない。
そのように一応考えたがやはり全体として意味不明で困る。同監督の新作映画が公開されたようだが、長編でこういう面倒くさいことをやられるのはつらいので見ない。
その他、製作は「九段下プロ」とのことで、映画もその周辺でローカルに展開していたらしい(クソガキの場所は別)。外国人の男の正体を適当に考えると、例えば「ロケーション協力」の二松学舎大学が招聘した研究者であって、しばらく滞在の予定だったが初日は大学周辺をふらついていて主人公とすれ違う場面が多かったなど。