5.《ネタバレ》 同じ1940年に製作されたケイリー・グラント主演『ヒズ・ガール・フライデー』と同様、ケイリー・グラントが離婚したばかりという設定。
これは嫌な予感が・・・と思っていたら、、うーん、やっぱりかぁ。
またもやケイリー・グラントが総取りかよ!と思ったが、本作の方は少し趣きが異なっていて、ケイリー・グラントがそこまで完全無欠ではない。
優しさを持ったキャラクターになっており、主演のキャサリン・ヘプバーンを支える優しい男を演じていた。
本作では、男連中は皆、キャサリン・ヘプバーンに夢中なのだが、そこまで魅力的な女性には見えず。
観ている私も、夢中になれるような女優が演じていたら、もっと感情移入できて、楽しめたとは思う。
そこまでガチャガチャとうるさいコメディ映画ではなかったのも救い。
ムード溢れるシーンも随所にみられ、ロマンス映画としても楽しむことができる。
上流階級の世界を描いていて、その辺りの描写も興味深い。
上流階級に限っての話ではあるが、この時代でも十分、豊かな生活をしていたんだなぁと感心。
人間が物質的に豊かな暮らしをしていく上で、この映画で描かれていた生活レベルでも十分な気がした。
現代の物質的豊かさは、必ずしも必要じゃないのでは?と。
もちろん上流階級で、召し使いが何でもやってくれる生活じゃないと成立しないが、家電やIT技術など、余計なものにさえ感じた。
70年以上経っても、意外と人間の暮らしの豊かさって、そこまで変わっていないのでは?
科学技術は格段に進歩したが、その科学技術の進歩の割に、人間の生活水準って、そこまで上昇していないようにさえ思ってしまった。
この時代の上流階級の暮らしぶり、とても豊かで、十分に満たされている。
この映画が作られた5年後に、日本は焼け野原になっていたかと思うと、かなりショッキングな生活ぶり。
そういう視点で見ると、衝撃を受ける映画。