2.《ネタバレ》 先の大戦が終わって二十年が経って尚、世界が諍いを続けていた冷戦中期。今考えると、二十年前など、ほんのちょっと前の事だ。だからこそ、その記憶の新しい内の、当時の人々は次の戦争の始まりに恐怖していたのだろう。「ゴジラ」が暗喩をもって核の恐怖を描いたのに比べ、この映画は、実に直球勝負的に、戦争商人の悪行に立ち向かう戦士たちを描いている。子供向けアニメーションに、これほど平和への願いを前面に出した物を作っていたのは、今の感覚からすると、驚くべき事かも知れない。ラストの女性コーラスの、醸し出している”高み”は、もはや願いというより、「祈り」とも言うべきレベルだ。
絵とその動きに関しては、なにしろ古いアニメーションであるから、現在のものと比べるべくもないが、物語としては、魂がこもっている感じを受ける。
ちなみに、こんな普段見はしない映画も、気軽にその気にさせるiTunesStoreのレンタルというのも、悪くない選択だ。