1.この映画、本当に惜しい。森の奥にひっそりと佇む古城、薄暗い城内、陰りのある主人と使用人、不気味な森とそこに潜む連続レイプ犯の存在など、これだけで充分に恐怖を煽る映像であるし、近年のホラーのようにうるさい効果音やBGMを廃し、誰かに覗き見られているようなカメラアングルなど、本当によく出来ている。しかし、これがオカルトホラーだとしたら良いのだが、そうではなくてこれはサスペンス・ホラー。これだけではどうにもスリルが感じられないし、何よりも、この手のサスペンスに重要な“狂気”が全く感じられない。映像、音響は合格点だが、脚本が弱いので、非常に惜しい映画になってしまっている。個人的には、赤ずきんちゃんではなく、魔女狩りの伝説や悪魔伝説など、オカルト的な要素を加えてくれた方が面白くなると思うのだが…