1.『トップガン』のパクリ映画を作るだなんて、誰が聞いたって無謀そのものなんですが、岡田茂社長時代の東映だからこそ通ってしまった企画、なのかどうなのか。もはや、トップガンとはなるべく距離を置こうなどという意思も感じられず、諦めムードすら漂っており、まあ間違いなく「怪作」のたぐいでしょう。いっそ「壊作」とでも呼びますか。
あちらがトニー・スコットなら、こちらはアクションならこの人、村川透。なんか妙に納得しつつ、ちょっと違うような気もして。トニスコには遊戯シリーズは撮れんだろうし、村川監督だってトップガンは難しいだろう・・・。
ドラマ部分の演出は決して負けてないと思うんですけどね。あまり中身が無いのはお互い様。米国海軍に対抗してこちらは航空自衛隊の協力のもと、貴重かつ迫力ある映像の数々が登場します(一種の機能美ですな)。戦争とは無縁だと思ってる今の日本にも、こういう世界がある、ということ。ただ、映像が合成になったとたん、迫力が数段低下してしまうのは、これは元映画との比較が避けられないパクリ映画の宿命ですね。で、あちらがトムクルーズならこちらは織田裕二とくる。まあ、これも納得か。ケリー・マクギリスには財前直見。これは、何と言ってよいやら。