1.松本清長原作。不倫にハマった男の心理状況を描いたサスペンス。
加藤剛、岩下志麻、小川真由美と中々の役者揃いで、加藤剛の神経質な主人公の役は適役。
心理的に徐々に追いつめられていく描写はいいのだが、全体的に流れがやや淡々としており、
主人公の心理は理解できても緊張感が今一つ伝わってこない。最後のオチも同様で、
盛り上がりがなく終わってしまったなという印象も。小川真由美は単なる添え役だし、
お話自体に取り立てて大きな展開もないので、原作自体が映画向きではないのかもしれない。
小粒な佳作だが、それでも清張が好きな人なら楽しめる範疇の作品。