1.いやあシュールなもん観た~。古典的な節回しの台詞と舞台劇のような大仰な仕草。横溝映画になれそうでなれないけっこうな詰めの甘さ。無駄に裸になる女優とエロ描写。目が点になるばかり。
そこそこ重量感のある役者を並べていながら、脚本の粗っぽさとのミスマッチが観ていてバランスが悪くて気持ちが悪い。気持ちが悪いといえば、狂人海老塚医師とチンピラ内田裕也、こんな濃い目のヤバいのがセットで狼藉し放題、ついていくのがやっと。濃いなー。
胸を張るわりには「本格推理作品」とは遠いプロットの粗さ。意味なく配置されている人物の多さも気になる。「犯人を逃がしゃしませんよ 畜生!」と憤っていた素人探偵氏の、数分後の解説者風謎解き場面には腰くだけた。あの怒りはどこへやら。
70年代の香り漂う、シュールで独特な雰囲気は唯一無二ではある。いろんな意味で忘れ難いほど印象強烈。