2.《ネタバレ》 微かな記憶ではシリーズの中でこの作品が一番面白いと思っていた。しかし、改めてみると決してつまらなくはないのだが、シリーズの中で一番低い評価を与えざるを得ない。スターウォーズシリーズに特別の思い入れも何もないのだが、見ていて何か残念な気持ちがした。
その理由としてはストーリーの核となるべきルークがあまりにも中途半端かつ無意味な描き方しかされていないからである。ファンにはそれが良いのかもしれないが。とにかく今回のルークの行動を簡単に追ってみよう。
雪男に殴られ拉致られる→ハンソロに奇跡的に助けられる(このシーンには別の意図があったとも聞くが)→飛行機で突撃→仲間が瞬殺される→飛行機で活躍できず→ライトセーバーでAT-AT ウォーカーを破壊(ここだけはカッコいい)→ダゴバでヨーダとの修行→Xウイング・スターファイターを持ち上げられずに簡単に諦めてしまう→しまいには修行が終わっていないにもかかわらずにヨーダの元を去る(仲間を助けるためには確かにやむを得ないが)→ホスへ向かう→ダースベーダーとの戦い→「俺はオマエの父だ」→「ガーン(心に衝撃)」→「右腕切られて落下」→「レイア助けてくれ」→「なんでオビワンは教えてくれなかった」こんな感じじゃなかっただろうか。
冷静にみると助けようとしているつもりが助けられてばっかり、しかもやることなすこと皆、空回りしている。
描き方としては、まず修行に対して何かを為していないのに、ただ抜け出すというのはマズいんじゃないだろうか。少なくともXウイング・スターファイターを自力で持ち上げるか、それとも洞窟みたいなところで幻を打ち破らないとかしないと、修行の意義やヨーダの存在自体が問われてしまうと思う。
個人的にはホスで活躍の場をルークに与えればストーリーがより良くなるのではと思う。ボバ・フェットをⅥであのような間抜けな殺し方をするくらいなら、今回ルークとの激しい一騎打ちでも盛り込んで壮絶な死を与えた方が俄然面白くなったのではないか。
いわゆる修行の成果やジェダイとしてのルークの成長を観客に見せる必要があったのではないかと思う。ルークの常人離れした強さを示すことによって、ベイダーの強さがより引き立つという仕掛けが必要だ。ボバ自体の強さを示せば、この仕掛けがさらにより効果的になる。