1.前作の「マスク」はJ・キャリーのエンターテイナーとしての才能が存分に発揮された傑作コメディで、エキセントリックなメーキャップが秀逸であり、卓抜なアイデアで繰り広げられる映像は革命的とさえ言え、CG映像という新しい時代の幕開けを象徴する作品でもあった。あれから10年という歳月が流れ、映画のみならずTV・スポットCMなど、巷にはCG映像が氾濫。刻々と変化する新しい映像表現に、我々はいつしか慣らされてしまっているのが現状である。そんな時に観た本作の感想を言うと、最新の高度なCG映像が際限なく展開されるものの、もはやフツーの映像だと言ってもいい程に感覚がマヒし、これらが単なる無邪気なCG遊びにしか見えてこないのが何とも辛い。(だいたい、実写の赤ん坊が急にCGになって暴れだしたりするシーンなどは、日本のCFで嫌と言うほど見せられているしネ。)要は「マスク」の時のような、映像に目がクギ付けになる程の感動がここには無いのである。J・キャリーやC・ディアスといったスター俳優が出演していないのも作品を魅力のないものにしているのだが、そこまで言ってしまうと身も蓋も無い。前作さえ無ければこれはこれでファミリー・ピクチャーとして楽しめたかも知れない。 (これって、あまりフォローになってないかナ!?)