8.《ネタバレ》 イギリスの片田舎ノーサンプトンを舞台にした映画なわけですが、あら不思議、見ているとまるで邦画か日本のテレビドラマを見てるような既視感があります。
なんででしょうね?
例えばまだ前半、ローラが男性従業員からの小イジメでトイレにこもるシーン、従業員がトイレの外で聞き耳を立てるシーンですが、これがもうめっちゃくちゃ邦画でありそうな空気感。
映画全編そんな印象で…というか一度そう思ってしまうと、もう「邦画っぽい」という印象が自分の頭から離れず最後までその印象のまま観てしまいました。
ぶっちゃけキャストと場所をそのまま日本に変えて同じ演出でも全然違和感ないんじゃね?と思ってしまう不思議な映画でした。
ストーリー構成もお約束をきっちり抑えながら小波乱を乗り越えていく定番のストーリーで、驚くようなシーンは全くないかわりに「ここでこうなるだろう」と観客が期待するシーンでは必ずそうなる、という観客的に極めて安心感がある映画。
まぁ逆に言えば、観ている側が驚くような展開や感動がまったくない完全予定調和の中で進行していくストーリーは「そこそこ面白い」以上の映画をこの映画に与える事を困難にしていて、実際このサイトでの点数を見ても7点8点が大量にいる代わりに9点以上はほとんどいない…というわかりやすい点数分布になっていて、この点数分布を見るだけでどんな映画なのかがわかる、そんな映画になっています。
よく言えば、安心して観る事ができるそこそこハートフルな小品であり、悪く言えば「そこそこ面白いけど、まぁ別に観なくてもいいような映画」だったりします。