12.《ネタバレ》 昭和30年代と現代の二部構成で描かれた佐々部清監督による広島原爆を描いた映画で、こうの史代の漫画を原作としている。昭和30年代が舞台の前半「夕凪の街」は原爆に遭った主人公・皆美(麻生久美子)が生き残ってしまったことへの葛藤を抱えながらそれでも懸命に生きていく姿が描かれていて、淡々としているが、情感たっぷりで心に刺さるようなセリフもあり、思ったよりはかなり良いし、思わず引き込まれた。それに現代の邦画戦争ものにありがちな回想形式でなかったのも良かった。しかし、やはり後半の現代パートである「桜の国」は、最終的に伝えたいことは伝わってくるものの、前半とのつながりがうまくいっているとは思えず、前半が良かっただけにイマイチに感じる部分が多い。「桜の国」の主人公である七波(田中麗奈)の子供時代の回想が入るのもせっかく前半は回想形式でなかったのにと思えてしまって何か残念だった。見たあとで調べて分かったのだが、原作では七波の子供時代も回想ではなく、現在進行の物語として書かれているみたいなので、たとえ三時間くらいになっても映画でもそうしたほうが良かったような気がした。また、原爆資料館で吐き気を催した友人(中越典子)を七波がラブホに連れていくところは思わず突っ込んでしまったし、二人で風呂に入りながらテレビでかかっていたプリプリの「diamonds」を歌うシーンは、原爆映画という本作の趣旨とかけ離れてしまっていて違和感があり非常に残念だったように思う。悪い映画ではないのだが、前半の良さを後半が足を引っ張ってしまった印象は否めず、あまり人にすすめようとは思わない。それに、映画を見ているときにふだんほとんど原作の存在は意識しないのだが、本作は久しぶりに原作の漫画を読んだほうが良さそうと思ってしまった。それでも、前半の良さに免じて6点を。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2019-11-17 18:13:21) |
11. 台詞もエピソードも良いものがたくさんありました。が、なんとなく演出面でちぐはぐな感じがしました。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-05-03 12:12:56) |
《改行表示》10.《ネタバレ》 何十年も前の原爆のせいで今も苦しむ人々がいる、ということは伝わった。 映画としては特に秀でた部分が無いかなぁ… 【虎王】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-11-26 23:31:37) |
9.物語としては単純..レベルも決して高くはない..特に優れている名作と言うわけではないが、核や被爆者について、社会への問題提起となっていることは確かである... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-08-10 10:41:10) |
8.《ネタバレ》 ていねいに作られていて、絵の撮りかた、役者の芝居など、全体的にいい感じでした。ドラマのつむぎ方もよかったと思います。ただ、物語の結びに、もうひとつ何かが欲しかった感じがしました。映画が終わったとき「え? これで終わり?」とつぶやいてしましました。大仰なラストシーンが欲しいわけではありません。が、どうしても「何か」が足りない気がします。 【コウモリ】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 00:44:52) |
7.被爆者の次の代,その次の代への影響が皆無でないことは,理屈としては理解できる.でも実際にそういった状況にある人にあったことがないので・・・皆実役の女優さんも個人的にはあまりタイプではないんですよね. 【マー君】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-02-08 16:23:12) |
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6.麻生久美子が「誰かに死ねばいいって思われてたのに生きてる」って言ったとき、おっ、ここがポイントだぞ、と思った。あの戦争のとき、多くのアジアの人に日本人は死ねばいいと思われた。その恨みを持たれた日本人の代表として、なぜ広島の庶民がむごく死なねばならなかったのか、この外から見ると理屈があって、こっちから見るとひどく理不尽というズレが、原爆の悲惨を世界に訴える上での障害になっている。そこに切り込んでいくのかと思っていると、どうも「死ねばいいと思っている誰か」とは、ここではアメリカだけのようで、もちろんアメリカを告発し続ける必要は未来永劫あるのだけれど、そこに「死ねばいいと思っていたアジア」の視線も含めていかないと、どうしても声は弱くなる。そうすれば、なぜ東京でなく広島だったのかという重要な疑問にも、もうちょっとで至れたのだ。米軍が「死ねばいい」と思ったのは広島の庶民であって、東京の軍の参謀や政府・天皇は話し相手として残しておいた。東京の庶民は平気で焼き殺したが、中枢に損害は与えなかった。日本対アジア・アメリカという図式でなく、広島や東京やアジアの庶民対米軍・日本軍という対立が見えてくる広々としたところまで、もうちょっとだったのだ。そこらへん、実に惜しいと思った。現代編で、父への尾行が時間を超えた追跡になっていくところをもっとうまく演出できたんじゃないか、などといろいろ不満はあるが、こういう映画さえ作られなくなったらオシマイ、と思ってるので、このぐらいで。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-09-04 10:57:25) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 あの時代あの町で生き命を失った「皆実」という女性を演じきった麻生久美子がベスト。感動させてもらったので6点すべて捧げます。他の若手女優だったらと想像しただけでゾ~とします。 しかしながら、伊崎充則が初老になって堺正章はないでしょう。いくら歳を取ったからって全く違う顔つきです。タヌキとキツネくらい違う。(ゴメン) 【木村家の娘】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-08 14:08:31) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 けっこう、酷評が多いのですが。主演の2人の女優でけっこうもったのではないでしょうかねえ。被爆者や被爆者2世に対する差別が今でも厳然とあることにショックを受けました。これが一番のこの映画の主題であることが伝われば、よいでしょう。一番印象に残ったのでは、主人公が靴を脱いではだしで土手を歩いていくところでしょうか。まだまだ貧しかった時代を感じました。 【ジブラルタの星】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2008-05-13 16:49:06) |
3.映画としての完成度は低いけれど、素材が文句なしによい。麻生久美子のセリフ「私らは、一度死んでしまえばいいと思われたのにも関わらず、生き残っている。それでええんやろか。」っが心に突き刺さった。「戦争は悲惨だとか、ひどいからやめよう」という言い方では、戦争の是非(=大義名分の正当性)をめぐっての論争になってしまう。この映画は、いままで人間たちが戦争についてあーだこーだ言ってきた言葉のなかに、決定的に欠けていたこと=戦う相手から僕らは死んでしまってもいいものと思われているという点を気づかせてくれたことで、一見の価値があると思われるが、端的にいってしまえば、原作の漫画を読めばそれで十分という気がするのも事実。 【wunderlich】さん [映画館(邦画)] 6点(2008-05-06 08:58:30) (良:1票) |
2.ここでは酷評のようですがまぁ凡作の出来です。でも役者の演技は悪くないと思いますが、やはり原作と比べると直接的なんですね・・・。わかりやすさも大事ですが後で「そうだったのか」というささやかな発見も大事ということですか。 【ポドルスキ】さん [映画館(邦画)] 6点(2008-01-25 20:55:52) |
1.《ネタバレ》 ものすごくベタな演出。しかし、唐突に挿し込まれる妹の声だとか被爆者を描いた絵は、その不自然さゆえに原爆の不条理さを表し得ていた。残念なのは、もう少し細部までこだわって作ってほしかったということ。例えば、プロポーズという重要な場面の背景の中に看板に書かれた「不法占拠禁止」の文字がでかでかと映し出されていたり。ベタな演出なだけに、そういった所が嫌でも気になってしまう。 【クルシマ】さん [映画館(邦画)] 6点(2007-08-25 14:06:51) |