1.あまり期待しないで見たんですが、結構よかったですよ。ラブコメというほどコメディっぽくはないし、かといってシリアスでもない。男女3人というプロットは数多くありますが、4人というのはフランス映画としても珍しいのではないかしら。悪友にのせられてすぐに浮気に走るマルク。マルコにあいそうをつかしているはずなのに、同情からマルコと寝てしまう困ったジャンヌ。暗い過去のせいで、情緒不安定なサマンタ。このなかで、アントワーヌだけが穏やかに節度のある行動をします。そして、アントワーヌの行動が、4人の男女の奇妙な同居生活の接着剤となるのです。3人というプロットだと心臓をえぐるほど究極までいっちゃうんですが、4人目が加わることでお互いの関係が薄められて軽めの仕上がりになっています。一人一人の人物描写はやや浅薄になりますが、それでもマルクはうまく描かれていますねえ。フランス(だけとは限らないかも)の 男友達って結構悪の道に誘いあうのね。マルコの交友関係もうまく描かれていて興味深かったです。初老の男性のアントワーヌが一番いい役かなあ。わたしでも好きになっちゃいそう。どこか、近くにいて安心感が得られそうな男性ですね。ちなみに、この作品で競演したオートゥイユ とベアールは未婚ながら一児をもうけているそうです。