1.高校生の自主制作フィルムだから、映像とかそういうところにこだわると見ていられない。でも、ナイーブであるがゆえにまっすぐな思いは、実は大人たちが封印してしまった根源的な問いを呼び起こしてくれる。芸術が担う役割が「なんらかの社会が抱える悩みに答えてみせる」ことではなく、「問いそのものを喚起する」ことであるとすれば、「生きる覚悟はできたか??」というこの作品にある重いセリフは、この映画を、荒削りではあっても立派な一つの芸術作品にたらしめている。僕の高校時代を考えると、この映画を制作した高校生たちは、文句なくあっぱれなのである。