1.《ネタバレ》 観客を選ぶ映画かな。
観終えた後、隣に座っていた大学生とおぼしき男子2人組が
「お前、わかった?」「わかんねえ」と会話してたのが印象的。
子供は観ても全然面白くないです、これは完全に大人向きのアニメ映画です。
キャラクターのデフォルメ化はとても素晴らしいです。
デザイン系に携わる職業の人達は何らかの影響なり刺激を受けそうな
バランスのよさがあります。
主人公の境遇を笑うにはシニカルすぎるし
さりとてほのぼのする展開かというとそうでもなく。
古いヨーロッパ映画やいまの日本映画をアニメ化した感じですよね。
魔法使いを信じる純朴な少女が大人へと変貌していく様を描くにはちと
性急すぎやしないかな、とお話そのものについてはやや不満が残りました。
ラストで目の前にいた幼女の落とした短い鉛筆を拾い、主人公の耳上に長い鉛筆が
挟まっていて、いつものクセが出そうなところで思いとどまりそのまま鉛筆を返します。
そこのほろ苦さがとても心地よかったです。
そして物語のラストのラストで、やっと主人公が何故売れない手品師を
細々と職にしていたのかその根源が明らかにされます。
イリュージョンはオシマイ。
夢もオシマイ。人に夢と書いて儚い。
でも、そこにちょっぴり楽しい一時があった。
飲みきったコーヒーカップの底にたまった
ほんのちょっと残った砂糖を味わうような物語でした。