1.《ネタバレ》 最後までどうなるかわからない、真相が藪の中の面白さはあるが、設定にかなり無理を感じるところも。
特に、第二の容疑者であるテイラーのキャラがわかりにくい。
自分が誘拐されたからといって、その模倣に偏執することが、精神疾患とはいえありえることなのか全然ピンと来ない。
その不可解な言動には、観客をミスリードするためのこじつけ感が否めない。
真犯人夫婦がアレックス(最初の容疑者)だけ手元に置いて育てたのも不可解。
これもミスリードのための設定と感じる。
おかげでサスペンス性は高まっているが、その分すっきりしない部分も出てくる。
娘を助けたい一心で容疑者を拷問してしまう父親の暴走は見応えがある。
誘拐されたもう一人の方の両親が、その暴走を黙認してしまうのもリアルだった。
最初に誘拐されたバリー少年が、怪しい薬で知的障碍にされたアレックスと同一人物というのは予想できなかった。
人間関係を完全に整理するのに手間取るけれど、最後まで見入ってしまう。
テーマは宗教色が意外と濃い。
キリスト教的には蛇は悪魔の化身。
息子の不幸で神を呪い、神への反逆として他人の子供たちをさらいまくる。
子供の親を悪に引きずり込む発想が、実に悪魔的。
囚われの身(プリズナーズ)となっているのは誘拐された子供だけではなく、大人たちも含めてのタイトルだったようだ。
結構特異な映画なのにあまり心に刻まれなかったのか、初見から2年程経って見たら細かいところはすっかり忘れていた。