1.《ネタバレ》 [2014-11-30 DVD視聴に伴う改訂]
OV版1から劇場版2までの4作から各種素材を持ち寄ったように見えているが、基本的な筋立てとしてはOV版1の発端部分と劇場版2の受胎部分を直接つないだ形になっており、これを白塗り少年を軸にまとめたことで、けっこう筋の通ったストーリーができた感じである。
この映画でも時系列錯綜の特徴は継承しているが、呪いの原点に関して旧作になかった設定を追加しており、そのせいもあって初見時には時系列に関する個人的仮説が途中でひっくり返される感じもあった。また学校教員が関わるのはOV版1と共通だが、この人がただ巻き込まれるだけでなく、終盤で決然と現場に乗り込んで行ったのは少し感動的で、この辺は旧作の貧相で情けない主人公と一線を画している。今作は最後が涙で終わっていたのも好印象だった。
一方でホラーとしての怖さはほどほどで、旧作の形式を継承していることもあり、この辺で出るだろうと構えていられるのは観客に優しい面がある。しかし旧作だったらこうなるはずだと見せておいて、おっとそう来たか、と思わせる箇所もあったのは可笑しい。また特徴的と思われたのは音響面で、ピアノの場面に続いて何度も起こる楽音的な大音響や、人物の絶叫に続く電車の金属音は印象的だった。
ところで出演者に関して、まず主人公役の女優はこれまで特に注目していなかったが、この映画を見るとあまりにもキレイでカワイイので感動した。劇中ではこの人の脚がきれいなのをしつこく見せつけていたようで、そういったところにもこだわった映画かも知れない。
一方で女子高生の七海が他の3人に比べて特別扱いだったのはストーリー上の必然性がなく、これはキャスティング上の事情によるのかと思うが、こういう人は顔が汚れないで終わるのは不公平である。個人的には莉奈役の女優が好きで見たわけだが(意地悪な感じだが可愛い)、ほかの女子高生もそれぞれ個性的で、こういった多彩な女優を見られるのはこのシリーズのいいところなのかも知れないと改めて思った。またDVDの出演者インタビューを見たところ、佐伯伽椰子役の最所美咲という人が柔和な感じで心和むものがあった。これからもみんなに愛される女優であってほしいと他人事ながら願っている。
なおエンドロールで動物を虐待していない旨の表示が出るが、劇中の描写は人間を含めて悲惨であるから、よい子の皆さんは真似しないでいただきたい。