4.《ネタバレ》 双方有能な指揮官による、敵の手の内を探りながらの知能戦。
艦長同士が戦いの中で生まれる互いへのリスペクト。
できる者はできる者を知る。
特に、戦闘前までは味方に素人扱いされていたアメリカ側駆逐艦艦長の、爪を隠していた鷹っぷりがカッコいい。
知将同士の好敵手である戦国武将のような、死闘を繰り広げた後のボクサー同士のような、殺し合いなのにフェアで爽やかなものが感じられる。
戦争はもっと残忍で陰惨なもので、こんなわけにはいかないんだろうけど。
殺伐とした争いの世界でも、せめてこうした人間性を失いたくないという願望が見える。
双方の艦長ともにこの戦争には決して前のめりではなく、厭戦気分さえ感じられる。
ドイツ軍を敵として一方的に悪く描いてはいないのが良い。
ただ、潜水艦でドイツ人同士が英語で会話しているのはかなりの違和感。
アメリカの観客に気を遣ったのだろうが、字幕にすれば済むことなのに。
戦闘シーンは、この時代の映画にしては火薬も本格的に使ってリアルな迫力があった。