《改行表示》11.《ネタバレ》 時代劇の銭勘定を現代のそれに置き換えてみるという試みは非常に面白い。ただそれだけで昔の人間も現代と同じような苦労をしていたことが伝わってくる。そこに今とは違う社会秩序が絡んでくるので実に新鮮である。 この話の当初の目論見では殿さまに銭を貸して利息を取りこれで伝馬の労役の賄に充てる計画であったが、さすがに身分制社会でこんな露骨な話には無理があって「伝馬の労役、苦渋の至り。藩より賄下されれば銭5万貫献上致したい。」とまあ、話を持ってゆくわけですが姑息な百姓の大名貸しと切れ者の勘定役に見破られ一度は破談になりますが、よく分かりませんが40年もの間の苦労の果てと話が伝わりお取り上げとなります。この辺りが昔の社会的義理人情であってまた面白いところでありました。身分制というのは役柄をわきまえずに勝手なことをすると仕置きされますが、筋道を通し懸命なところを見せるとお上も動いてくださるというわけですよ。いいねえ。 しかも、下賜金も出る。肝を冷やす問答も理があると見れば粋な取り計らいも。 ただ、一つ疑問をいうと、話が持ち上がってから動き出すまですごく年月が経つんですよね。10年ぐらいやっているんじゃないかな。この辺りが昔の社会状況を反映させたところなのかもしれませんが、現代的にはすごい違和感がありました。 役者的には切れ者の勘定役と殿さまが良かったと思ってクレジット観たらすげービックリ。はーなるほど、道理で姿勢がいいと思った。あと殿さまのお付きできた二人の侍の走り方もよかった。お空に行った彼女は変わらずきれいだったな。 【たこのす】さん [インターネット(邦画)] 6点(2022-03-02 01:09:25) |
《改行表示》10.《ネタバレ》 タイトルを見てコメディを想像していたけど、良い意味で裏切られました。 藩の財政難も救われるし、宿場町の人たちも助かって、みんなが幸せになれそうで良かった。 出資者たちも巡り巡って幸せになれそうで、心温まる人情噺になってたように思う。 地味だけど、心が癒されるような安心感のある作品でした。 【もとや】さん [インターネット(邦画)] 6点(2022-01-14 19:48:17) |
《改行表示》9.《ネタバレ》 期待していなかったが意外に良かった。 ただ前半順調に仲間が増えていくのだけど同じパターンの繰り返しでだんだんグダグダに。 でも後半からは順調と思われた金集めもペースダウンし難問も待ち受けていたりして面白くなってきた。 しかも結構いい話でタイトル詐欺ですわ。 【Dry-man】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-06-20 23:03:44) |
《改行表示》8.原作は読んだ事があるのだが、どれも地味でマイナーな話ばかりだった。で、こんな地味な話が2時間の映画になって面白いのか?と思ったが、それなりに作品として成立はしていたように思う。が、シリアスな話が軽いタッチで描かれていてリアリティーが感じられず、全体的には中途半端な印象。 原作の題名は『無私の日本人』なので、著者や製作者が訴えたい事は日本(共同体)のために、無私になれますか?もっとハッキリ言えば、カネ出せますか?って話で、公共心や愛郷心・愛国心を問う作品である事は間違いない。製作当時は舞台が宮城という事もあり311が念頭にあったと思われるが、現在コロナ禍で、共同体のあり方や公共心が再度問われる事態になっている。時代が変化した今、あらためてこの作品をどう受け止めて、どう考えるのか?江戸時代から明治へと近代化し、昭和の敗戦を経て75年経過した令和の現代は、江戸時代と何が変わり、何が変わらないのかを考える上で、ヒントになる作品ではある。 |
《改行表示》7.《ネタバレ》 タイトルと内容に解離がある。 もっとマネーゲーム的な内容かと思っていたのだが、金策に終始して終わってしまった印象 【おとばん】さん [インターネット(邦画)] 6点(2018-09-23 22:03:42) |
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6.《ネタバレ》 原作は未読ですが、イイ話らしいと噂は聞いていましたし、わざわざ映画として公開される以上、ハッピーエンドだろうと予想できます。濱田岳の終始明るいナレーションもそれを確信させます。主人公が勝つと初めから分かっている戦いほどつまらない見せ物はありませんので、決着に至るまで観客をいかに振り回してくれるかがポイントだと考えておりました。その点で、松田龍平が演じる萱場は、一人だけお前らのペースには巻き込まれんぞというクールな雰囲気を醸して出しており、注目の人物でした。終盤、もう少し粘って、「駕籠・馬に乗る殿は卑しいか?」と問い詰め、お金の話をまるごとひっくり返そうとし、それを主人公側が思わぬ理屈で切り返す・・・そんな場面があれば8点付けたのに、と残念です。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 6点(2018-01-03 10:01:38) |
5.パッケージの阿部サダヲからおふざけ映画かと思ったら、まったくまじめないい作品だった。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 6点(2017-11-06 00:35:21) |
4. しみる話でした。ただ、淡々とした映画なので退屈に思う人もいると思います。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-10-08 17:00:26) |
《改行表示》3.《ネタバレ》 タイトルから緩いコメディ時代劇を想像しましたが、それは誤った先入観でした。劇中に現れる文献等を見る限りは実話がベースのシビアなドラマです。でも、それを深刻に見せるのではなく軽妙に語る。ちょっとバカっぽいタイトルは、その洒脱な様を表現していていました。この語り口のバランス感覚は相当な優れモノだと思います。 おカネが絡むお話ですけど、随時現代の円に換算して説明してくれるのが親切です。主要キャラのカネ絡みの苦悩がリアルに実感できます。銭形平次が投げていた銭は一発60円だったことを初めて知りました。(まぁ、妥当な「重み」ですよねw) どこかで見た顔だと思ったら男子フィギュアスケートの世界チャンプでした。チョイ役ですが、お坊ちゃんっぽい殿様がとても似合う。面白いスパイスでした。 商売繁盛には地域の経済的活性が必須条件。現代的には当たり前ですけど、江戸の頃からその理念に投資した資産家がいた。それを知ったことが個人的な収穫でした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-06-09 02:03:45) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 いい話です。初っ端からいい人がやたらと出てきて、泣かせる話の数々。これが最後まで続く。実話ベースだからしょうがないのかもしれないが、ちょっとやりすぎだったかなと思ったり…(とくに浅野屋さんに関しては)こういうのは山場で魅せてこそ光るものだな~と感じました。話は変わりますが、友情出演の羽生結弦選手は堂々としていて立派なもんでしたね。先に登場した磯田さん同様、セリフは無いもの(あっても一言二言)と思っていただけに、ちょっとした驚きでした。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-02-19 13:33:13) |
《改行表示》1.《ネタバレ》 良い人だけが出てくる良い映画であり、たまにクスっと笑わせるという、いかにも松竹らしい人情コメディとなっています。とにかく全員が公共のために尽くそうという思いを持っており、このプロジェクトの障害になると思われていた藩の出入司や、財政難の元凶となっていた殿様すら話してみれば良い人。事情を知るや主人公たちへの協力姿勢を示し始めるという、安心して見られる作品となっています。 主人公たち出資者は「町が滅びれば自分たちの商売も立ち行かなくなるから、何とか町に活気を取り戻さなければ」という目的で資金の供出を開始します。この点は合理的で納得がいったのですが、他方で店を潰してまで資金を捻出しようとした妻夫木聡演じる浅野屋の行動原理だけは不明であり、この点が作品のアキレス腱となっています。彼のドラマをもっと合理的に見せてくれれば作品全体がより腹に落ちたのですが、もはや徳の高い人でしかないという見せ方は良くありませんでした。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2017-01-14 15:47:15) |