4.《ネタバレ》 前評判が良かったのでちょっと期待しちゃいましたね。たしかに悪くはなかったんだけど、そこまで言うほどのものかとも。約2時間30分と長い上映時間にも関わらず飽きることなく最後まで観れたことは評価したい。そして映像は圧倒的で文句のつけようはないし、役者さんたちもみな素晴らしかった。特にデンゼル・ワシントンのひょうひょうとしたあの感じはさすがでした。ただなんていうか、クライマックスが近付くにつれて段々と尻つぼみしていく話そのものが、なんか面白みに欠けるというかスケールダウンしていくというか、とにかくもっと最後は大軍勢同士の激しい戦いで幕を下ろして欲しかったかな。ちょっと肩透かし感は否めなかったです。
そもそも前作の主人公のマキシマスと先の皇帝の長女との間にいつの間に子供なんていたんだ?前作にルシウスがマキシマスの子供だって分かるようなそんなシーンあったのか?...う~む...。それにマキシマスが前作で非道な皇帝を倒したのになんで息子を逃がさなきゃ行けないのかもちょっと説明不足。逃がさなきゃいけない経緯がよくわからなかった。なんであのまま皇帝の座につかせなかったのかも...。
次から次へと名のある人物、将軍や皇帝が殺されていっちゃうから、その時点で全体的に重みのない軽い感じになってしまっているようにも思える。で、元凶の大本であったデンゼル・ワシントンが警護もなにもなしで一人で一目散に逃げ出して行くからもうめっちゃ小者に見えちゃって、もう小者に成り下がってしまった奴を倒してもそこまで高揚感が湧き上がってこないんです。やっぱりラスボスは手強くてやっとの思いで倒してこそなんじゃないかな。まあ彼の最終目的は皇帝になることではなくローマを没落させることだったから、一人で逃げるのはわかるとしても、あそこまで綿密に事を遂行してきた慎重派がいくら予想外の出来事が起きたからって取り乱しすぎじゃないのかと。自分の味方となってくれる兵がいるのになんでわざわざリスクの高い1対1を選ぶのか?あれは完全に物語を終わらせるために選ばれた「演出」でしかなく、それが見えちゃうのがちょっと残念でした。
あとグラディエーターたちの指導員であり教育係みたいな彼。彼って別にそこまで憎たらしいわけでもなかったし、普通に任務を遂行してただけなのに、最後にあんな殺されかたされるなんてちょっとあんまりだよ~でした。
これは蛇足なんですが、劇中に「三途の川」と表現される場面があって、あれ?「三途の川」て仏教じゃないのか?なぜローマに?と思って鑑賞後に調べてみたら、「ステュクス川」という呼称で、あの世とこの世を渡っている川とされているそうです。宗教が違っても同じような思想なのが感慨深いです。
最後に総評として、何だかんだとダメ出し的なことも言ってはきたけれど、まあそれでも娯楽作品として気楽に観れるし映画ならではの迫力もあってまあまあではありました。はい。