7.《ネタバレ》 映画の冒頭にて、観客であるこちらが恥ずかしくなるようなピンク色の夢を見ている主人公。
もっと生真面目なタイプの青春映画かとばかり思っていたので、完全に意表を突かれましたね。
けれど、そんな風に戸惑っていたのも束の間。
すぐに感性のチャンネルを切り替える事が出来た為、充分に楽しむ事が出来ました。
作風としては、後の「アメリカン・パイ」や「ホーム・アローン」にも通じるものがあるんじゃないかな、と思います。
特に後者に関しては、それが顕著で(高校生版のホーム・アローンだな……)と、心の中で呟いてしまったくらい。
様々な媒体でパロられている、シャツに下着姿という格好で踊るトム・クルーズの姿。
元ネタの映画では、こういった意味合いのシーンだったのか、と感心させられたりもしましたね。
両親が旅行に出掛け、自分一人となった家の中で、ガンガンに音楽を流しながら踊り狂う主人公。
凄く気持ちが分かるというか、自分も思わず真似したくなるようなシーンでした。
他にも、童貞を捨てようと意を決してコール・ガールを自宅に呼んだら、現れたのがガタイの良いオカマのお姉さんだったという件。
そして、父親の愛車を湖の中に沈ませてしまう件など、視覚的にも印象深い場面が、沢山ありましたね。
滅茶苦茶になっていた家の中を、両親が帰ってくる寸前にギリギリで元に戻せた(実は戻せていない)辺りなんかも、凄く良かったと思います。
そういった「両親の不在中に好き勝手やる話」としては、とても好みだった本作。
けれど、ヒロインとの恋愛模様に関しては今一つピンと来なくて、残念でした。
謎の多い女性で、それが独特の色気にも繋がっていたのですが、どうも好奇心よりも警戒心の方を刺激されてしまったみたい。
結果オーライで大学面接まで成功に終わるというのも、ちょっと「上手く行き過ぎ」感がありました。
個人的好みとしては、両親の帰宅と同時に完結でも良かったかも。
上述のように、細かい不満を感じた瞬間もあるのですが、総じて楽しめる時間の方が長かったように思えます。
結局、主人公は儲けたお金を全て失ってしまったけれど、精神的な成長と、素敵な彼女を得られたのだ……というハッピーエンドなのも、決して嫌いじゃないですね。
やがて歳月を経て振り返った際には、そういった諸々もひっくるめて「好きな映画」と言えるようになっていそうな、そんな一品でした。