《改行表示》8.篠田監督による横溝サスペンス、金田一耕助も11代目の鹿賀丈史になる。「獄門島」などが戦争直後の昭和21年の事件だから、40数年後の「悪霊島」では金田一さんも60過ぎのおじいさんになるはずなのだが実に若々しい。映画だから深く追求はしないが、言いたいのは時代設定がそれまでの映画とは違うということ、すなわち高度経済成長や公害問題が取りざたされていた時代であった。(レジャーランドとかヒッピーが出てくる) 映画の冒頭にいきなりジョン・レノンの射殺事件が出てくる。この映画制作直前のビッグニュースである。これと時代を物語るヒッピーと金田一や五郎の風貌と相まって、ビートルズのレット・イット・ビー(なるようになるさ)のイメージになったのかもしれない。 映画は岩下志麻のミステリアスで妖気あふれる雰囲気がその美貌と共に際だっている。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 6点(2011-09-24 09:42:15) |
7.《ネタバレ》 原作自体がミステリーとしてはたいしたことがなく、犯人が誰か一発でわかるので原作にはない双子の設定を導入して多少謎に深みを持たしている。東宝の獄門島と違いこちらの改変はそこそこ成功といえるのではないでしょうか。ただ、この映画の主題は戦後色濃く残る封建的価値観と高度成長期の自由な価値観とのぶつかり合いにあるので、ミステリー的な要素などどうでもいいというのが本当のところでしょう。「誇りも守るべきものも持たないものなどどんどん死ねばいい」という大膳とそれに異を唱える金田一の会話のシーンがよかった。戦前回帰というわけではないけれどややきな臭い今のご時勢にみると、価値観の対立はいつの時代にもあるのだなとちょっと感慨深い。役者的には佐分利信のかつらと、石橋蓮司の女装が軽いつぼだった。伊丹十三、古尾谷雅人、室田日出男、みんな若くして逝ってしまった。そういう意味でも感傷的になる映画。 【陽炎】さん [地上波(邦画)] 6点(2007-08-02 12:57:58) |
6.金田一はほとんど何もしてないと思うのは気のせいか。まぁ岩下志麻がすごい。これぞ演技力。こういう女性にはひれ伏すしかない。 【ぷりんぐるしゅ】さん [地上波(字幕)] 6点(2005-10-30 01:49:53) |
5.うーん、俳優陣がみんな若い。(当たり前だけど)今の時代でこの映画を観ても怖さも、新しさも無いけれど 当時の邦画としては、結構衝撃的だったんじゃないでしょうか。謎解きより、独特の雰囲気が良かった。 【civi】さん [地上波(字幕)] 6点(2005-10-25 04:12:20) |
《改行表示》4.鹿賀丈史さんが大好きだから、という とてもとてもミーハーな理由で観ました。 全く金田一シリーズを知らないし文学的素養も無いので すんなり受け入れられました。 「戦国自衛隊1549」を観た後なので、 鹿賀さんのコミカルなお芝居を観て何だかホッとしてます。 あ、あと「反省!」でブレイクした次郎君の相方?の村崎太郎さんがしれっと出てます。 それもビックリ。 |
3.冒頭とラストのビートルズは意味あるの!?画面が明るすぎておどろおどろしさを感じない。60年代という時代設定が新しすぎて金田一っぽくない。だいたい高度経済成長期にあんな袴の格好した奴まだいたのか!?市川崑監督版に見られる早合点の警部や金田一と宿の娘とのやりとりなどコミカルな部分が皆無。しかし個人的に鹿賀丈史が好きなのと岩下志麻が美しすぎるのでちょっと甘めに。。。 【目白沈寝】さん 6点(2005-03-10 23:10:23) |
2.原作者の晩年にメディアにせっつかれて、アイデアが充分練りこまれてない内に世に出されたという感じの原作。「いまいち盛り上がらないなぁ…」と思いつつ読んでた記憶があります。映画も同様にいまひとつ何か足りないという感じ。横溝氏が生きておられれば他作品同様にリライトを繰り返し、肉付けがなされた上で傑作足りえていた可能性もありますが…残念。 映像は綺麗でロケーションやセットも良、映画全体のムードは結構好きです。「聖域」に辿り着くまでにもっと紆余曲折してほしかった気もします。 【番茶】さん 6点(2004-09-07 22:47:56) |
1.《ネタバレ》 ひとり2役、多重人格症といったトリックは今となっては何の新しさもないが、公開当時としてはアリだったはず。歳とともに、この種の映画はどうしても懐かしさが先立ってしまい正当な評価を下すのが難しいが、冒頭の謎掛けの割には結末が意味不明だったり、トリックに溺れて、展開にロジカルさが欠如していたり、と金田一もののなかでは、どうしても点数が低くなる。だけど、今は亡き古尾谷雅人の眼鏡のフレームや服装にどうしても時代の雰囲気を感じてしまって、そういう意味では決して悪くない映画。 |