《改行表示》10.《ネタバレ》 劇場公開時に映画館に観に行って以来、久々に観た。なんとも観念的な作品である。リンチの作品は大なり小なり全て観念的なのかも知れないが、当該作品は特に。TVドラマは、当然ながらTVで放送される事が前提となっており、ある程度フォーマットに即した作られ方をしているものであるが、ここでは「TVドラマとしてはやりきったのだから、映画は映画で好きにさせてもらう」と言わんばかりの大胆な演出がされている。もはや同じツイン・ピークスの名を冠していながらも、映画とTVドラマでは「似て非なるもの」と言えるだろう。TVでは最初はおとなしく描かれていたローラの私生活や父親の異常性も、当然全てネタバレしているので当該作品では最初から全開であり、ローラに至ってはもはやああなるしかなかったと言うくらい破滅的な生活をしているのが分かる。この辺りのエロ・グロ演出は正に映画ならではのものだろう。 ドナ役のララ・フリン・ボイル以外、主要キャストが軒並み出演しているのは嬉しい。また、正に体当たり的なシェリル・リーの怪演も特筆に値する。わずか数分の出演ながら強烈な印象を残すBowieの出演も忘れられない(しかも全く意味が分からない!(笑))。リンチ節は思いっきり発揮されているが、間違ってもTVシリーズを観ていない人やリンチワールドに免疫の無い人にお勧めできる作品ではないので、この点数とさせていただく。 |
9.意味ありげなものを重ねて重ねて、意味から遠いところへ行くのがこの人の世界。だから「解決編」と思ってはいけないんだろう。非難すること、されること、あるいは「糾弾」というきつい言葉を使ったほうがいいのか、それが繰り返される。手が汚れているとネチネチ言い出すあたり、車で見知らぬ男に急に糾弾されるシーンとか、自分の分からない理由で、あるいはぼんやりと「あれかな」という程度に思い当たる理由で、不意に糾弾されるんじゃないかという不安。この作品の手応えはそこらへんにありそう。へんにオカルトがかった部分はつまんない。それはそれで「糾弾」で、叫ぶけど、叫べば叫ぶほどウツロなの。ウツロで埋めるために叫んでいるような。この監督、力がこもるのはいかがわしい場所のシーン、音楽の力もあったけど、思春期の若者の目を通してみられるその雰囲気がなんか独特。外側にだけ世界が広がっていくんじゃなくて、内側にも広がっていく。覇気のない歌声に導かれて。赤と青。それと安っぽいセット趣味も独特。赤い部屋なんか。宙吊りにされる、ゆっくりとした前傾。なんなんだろう、こういう趣味。ブームになるような万人受けするもんじゃないと思うんだけど。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2012-03-21 10:01:05) |
8.出てくるキャラクターがみんなと一癖も二癖もあるところがたまりません。 【カタログ】さん [DVD(吹替)] 6点(2011-11-16 17:15:43) |
7.《ネタバレ》 ここでの評価は低いが、そんなにひどい出来ではない。TVシリーズを観ていない人は全く話についていけないだろうが、観ているからと言って理解できるわけではない。そこはやっぱりリンチだから。「わけわからん!けど面白い!」というのが本音。ローラは最期に解放されたのだろうか?あの笑顔にこちらもちょっぴり救われる。またTVシリーズを観たくなった。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 6点(2007-11-26 17:53:35) |
6.ドラマ版のユーモアは無い。一貫してローラパーマーが殺されるまでのいきさつ(ドラマ版より前の話)を描く訳ですが、他のリンチ作品(マルホランドやロストハイウェイなど)を見ると、暗闇のグロをリンチタッチで描いたこの作品はさして悪い作品ではないと思う。ただTV版のカリスマ的な面白さ、危ないまでの対比(穏やかで平和なな田舎町、ツインピークスの「明」の部分と、裏では若者が乱交し、大人も大人になりきれていなく、何かに怯えている「暗」の部分)が無いのでドラマ「ツインピークス」を期待するとガッカリするのも本当によくわかります。ただ私はリンチ自身がこの世界から抜け出せず、映画を撮りたかった部分も分からなくは無いので、酷評はしたくない。気分もドンヨリしてしまう内容だが、その後5年間メガホンを取らなかったリンチの気持ちも考えてこの点数を献上致します。 |
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5.《ネタバレ》 10代の女性の堕落と死を悲劇的に描いた点は単体として作れば成功したかも知れない。TVシリーズの売りでもあったユーモアが排除され、クーパー捜査官の出番の少なさから物足りなさを感じてしまう。しかし、序盤のリンチ特有のキャラクターや酒場で音楽にかき消させられる台詞を字幕で補足したり、奇妙な味わいもある。ロッジのシーンが再び見れるだけでもTVシリーズ、リンチファンとしては無視はできない。 【マーメイド】さん 6点(2004-01-17 03:45:31) |
4.ドラマシリーズにハマりまくり、待ちにまった劇場版だったのですが、ドラマと比べるとコミカルな部分がなくなっていたのが残念でした。ドナがララ・フリン・ボイルじゃなかったのも不満でした。ハリー・ディーン・スタントンがあれだけのために出てきたというのもなんか肩透かしをくらった気分。なんといいますかデヴィッド・リンチのイメージの世界ですからあらすじを人に説明できる作品ではないですね。これはこれでいいんじゃないでしょうか。リンチ特有のジリジリ、イライラするしつこい演出が冴えてました。ただラストのクリームコーンをすするように食べるのとチンパンジー?のアップがでてきたと思うけどあれはなに?あれだけがどうしてもわかんないわ。 【envy】さん 6点(2004-01-15 00:28:07) |
3.デビッド・リンチの映画は解釈を楽しむものだと思ってます。でも、あんまり悩みすぎると頭が痛くなるので深くは考えません。テレビシリーズを全く知りませんでしたが、それなりに楽しめました。 |
【ピピニーデン】さん 6点(2001-08-25 01:25:52) |
1.カイルマクラクランにつられてテレビシリーズと映画を見ました。内容はともかくとして、やっぱ雰囲気いいなーっと思った。だるだるのノリとローラの絶叫。うーん絶叫シーンが美しいのはツインピークスだけかな。マクラクランちょい出番少なかったな。 【119】さん 6点(2000-09-19 13:33:52) |