2.《ネタバレ》 うーん、名作と言われることも多い本作。確かに画はとてつもなく美しいと思ったが、しかしストーリーはわりと引っかかりが多い。
■とりあえずタイトルの「ライアンの娘=ローズ」が、その雰囲気はかわいらしいが行動を冷静に見ているとただの身勝手で自己中心的な「子供のままの女の子」であり、しかもそれを反面教師的に描いているわけでもないので、なんだかなぁと思ってしまう。
■妻に不倫されても妻を守るチャールズの姿勢は素晴らしいと思うが、それが主題なら(多分そうだろうが)その部分をめぐる苦悩のようなものをもっときちんと描いてよかったと思う。これではチャールズがいい人なのか、それともただのおめでたい人なのか、そういうところにきちんと線を引き切れていないように思った。
■あと、マイケルの描き方も「なんだかなぁ」という感じだった。どういう人かも結局よく分からない描写で、恐らく「ローズの蔑みの対象→自らも蔑まれる経験をして理解をする」というプロセスにおいて必要だったのだろうが、そうだとしてもこの配置と人物設定では何が何だか状態である。