9.《ネタバレ》 思っていたよりコメディ色が強く、ストーリーが浅いです。人物の描き方も表面的。
一つ一つのエピソードはそれなりに面白いです。
『隠し財産』『ファンタジックな武勇伝』『謎のライオン』『若者達との乱闘』『セールスマン』
小さなエピソードの積み重ねが、なにか一つの本流を生み出しそうで、でも実際には何も起こらない。それぞれのエピソードは何かのメタファーに留まっているような印象です。
そもそも原題を知らなかったことが問題かもしれないです。『中古のライオン』という原題を先に知っていれば、本作をまた違った目で鑑賞していたかもしれません。『ウォルター少年と夏の休日』。わかりやすくとっつきやすいですね。でも間違った先入観を与えてしまうタイトルはどうかと思います。まるでウォルター少年の成長日記を予感させるようなタイトルですよね。ですが実際は『ハブとガースの物語』でしょう。ウォルター少年は二人を見るレンズ的な役割にすぎません。
ガースとハブのキャラクターは非常に良かったですね。
それに対して二人以外の登場人物は、『嫌な奴はこう』『馬鹿な奴はこう』と、型にはまった人物造形で、全く人間味を感じません。
そう、まるで小学校の国語の教科書を見せられているような感覚です。
悪い映画ではありませんが、面白くもないですよね。