2.《ネタバレ》 スピが描いたこの夢のあるファーストコンタクトは、「こうであって欲しい」という強い願望が込められており、とても共感できるものとなっている。
偽の毒ガス騒動や催涙弾での追撃なども描かれているが、基本的な視点はとても優しい感じがする。
そして、優しさとともに純粋さもポイントになっていると思う。ロイのような無垢で一途な子どもっぽい純粋さは確かに現代人が忘れてしまった感情なのかもしれない。「あなたがうらやましい」という言葉も胸に突き刺さる。
なんとなく、このロイという人物とスピが重なってもみえる。ロイが追い求めた真実に対する情熱と、この映画に掛けるスピの情熱は同じのようにも思えた。
ただ、時折みせる「おもちゃ箱をひっくり返した」ような稚拙な演出によって、せっかくの良作もちょっと台無しになってしまっている気がした。