2.《ネタバレ》 話としてはありがちですが、けっこう笑えました。なんだかんだとうるさいけど、しっかりヤキモチを焼く妻の田中絹代がかわいい。それに対する夫の渡辺篤もいい感じ。なにより、スピード時代に感化されて執筆のスピードも上がったというのが面白いです。ネズミとネコをめぐるエピソードも、単純だが楽しい。トーキー初期なので音を生かしているのはもちろんですが、表情で気持ちを語らせたり、伊達里子のチラリズムでサービス(?)するなど、画で語らせるところも忘れてはいません。そのあたりもよかったです。
世界初のトーキー映画は『ジャス・シンガー』だそうですが、本作でジャズがフィーチャーされているのは、その影響なのかどうか。いずれにせよ、両作品にジャズが登場するというのは興味深いことです。