1.《ネタバレ》 結論から言ってしまうと、アステア出演作は4,5作は観ているので彼の流麗なステップには以前ほど驚きも少なくなってきたし見ていて楽しいといった感覚も薄らいできてしまっているので、自分としてはダンスよりももう少しストーリーの方に重点を置いた映画の方が好きかなぁという気がします。
しかし、オープニングでアステアが帽子屋に入り女性がズラズラと奥から出てくるところから帽子を受け取るまでの流れが、具体的・現実的な動作が一切なく「シェルブールの雨傘」を彷彿とさせられたのには驚きました(こちらの映画の方が先だから尚更ビックリ!)。
さらに、ウサギのぬいぐるみを手に入れるまでのシークエンスでは、今まで自分が観てきたアステアのどのダンスよりも華麗なもので、ここまでは目を奪われるシーンが続いたこともあって凄く期待して見ていたのですが、その後がどうしても普通のミュージカル映画に成り下がってしまい、物足りなさを感じてしまいます。
終盤の方になるとダンスシーンが多くなっていき、アステアの動きをスローモーションで見せる演出なんかもややクドい感じがしてあまり好きではないですし、それよりも、ハナー・ブラウン役の女優をもう少し若い人を起用するとかして、二人の女優に年齢差を付けた方が互いにキャラが立っていて良くなったと思います。
サラダ・フランソワの説明をするウェイターや、ナディーンに振られた時に飲んでいたバーテンダーなど、脇役の方はなかなか個性的だったんですが。