2.《ネタバレ》 どう考えてもミラ・ジョヴォヴィッチ演じるナディーンの方が「いい女」じゃないか、と思えてしまうのが難点でしょうね。
作中で主人公が元カノに未練たっぷりで、長時間に亘って煮え切らない態度を取っている為、こちらとしては、どうしても感情移入が出来ない訳です。
勿論、最終的に彼はナディーンの方を選ぶ結末となる訳ですが、もっと序盤から彼女に対して真摯に向き合って欲しかったな、と思う次第。
性格面において、元カノさんが典型的な「嫌な女」として描かれているのも、少々可哀想。
でも、別れの場面にて彼女だけを一方的に悪役としない演出だった事は、良かったと思います。
やはり自分は、こういう形で「振られ役」を貶め過ぎないラブコメの方が好み。
話の筋としては、予想の範疇を逸脱する事無く、手堅く王道に則って纏められているという印象を受けました。
サプライズな面白さは欠けている代わりに、安心して楽しめるというタイプ。
そんな中で、主人公がナディーンに「鏡」をプレゼントした理由なんかは、ロマンティックで素敵でしたね。
ケチャップの瓶を用いた例え話や「一緒に映画観ない?」と誘い掛ける留守電の声なんかも印象的。
こういった小さな美点とも言うべき箇所が、作中のアチコチに散りばめられており、何だか憎めない映画でした。