1.《ネタバレ》 “さあ、サッチャー政権も誕生していよいよ狂乱の80年代の幕開けだ!ロンドン・ギャングの親玉である俺(ボブ・ホスキンス)にも一世一代の大儲けのチャンスが巡って来た!と言うわけで、アメリカまで行って出資者を見つけてきたし市会議員も抱き込んでるからロンドン再開発を仕切って欧州一のビッグ・ボスに成り上がってやる!ん、でも帰国してみたらなんかシマの様子が変だぞ、これはいったい…” と言う感じでお話しが進む、ロンドン・ギャングのボスの破滅への2日間です。ボブ・ホスキンス、このエネルギッシュな豆タンク親父はギャングのボスにはピッタリのキャラです。ホスキンスの女房がヘレン・ミレンで、社交力があって仏語がペラペラの堂々たるインテリ姐御ぶりにほれぼれとさせられます。お話しの方は少々複雑で、実はホスキンスを狙っているのは泣く子も黙るIRAでしたという展開になってくると、イマイチ訳が判りませんでした。もはや命運が尽きたホスキンスの表情を長回しで見せるのがラストですが、これはこの人の持ち味が全て出ている様な良い演技でした。 彼自身も本作の次の作品ではイアーゴを演じているんですけど、全体の雰囲気としては『オセロ』の様なシェイクスピア悲劇風のギャング・ストーリーでした。これもお国柄ですかね。