6.稀代のアクションスター、スティーヴ・マックイーンの最晩年の作品。
演じる役はかつて西部でその名を馳せた伝説の賞金稼ぎの男、トム・ホーン。
もう1人、牛泥棒対策に彼を雇う牧場主。演じるのはリチャード・ファーンズワース。
彼もまた、かつては西部劇を中心にスタントとして活躍した。
序盤、そんな2人が馬にまたがり雄大な西部を行く。2人の佇まいと作品の風景が実にいいのですが、
マックイーンの映画としてはあまり見返したくない作品です。
公開当時にマックイーンの事情も、結末も知らずに見たならば別の感想になったかもしれませんが、
トム・ホーンの人生最期のドラマに、残された時間が僅かであったマックイーンの人生が重なり、
遺作である「ハンター」と共に見ているのが辛い作品でもあります。
マックイーンは1980年に50歳でこの世を去りましたが、もしこんな病魔に侵されなかったら、
80年代、90年代以降と、その後どんな俳優人生を歩んだのだろう?
体が動かなかくなるギリギリまでアクションスターであり続けたのかな。
彼の映画を見ると、時々そんなことを考えたりします。