5.オムニバスは得点がつけづらい。ジョン・ウーの映画はあまりに類型的かつメロドラマっぽくてあざとい演出が目に付き、まったく受け付けなかった。分かりやすすぎる。最初のタンザ、ブルージプシー、イエスの子らはとても面白かった。個人的にはビルーとジョアンがロードムービーになっていて、好み。ジョナサンは正直よくわからなかった。チロはフェリーニの81/2を彷彿とさせるような賛歌となっていて思わず笑みがこぼれる。突き抜けた圧倒的な作品はなかったが、同じ目的のなかで単なる募金映画というか啓発映画に終わらなかったところは評価できる。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-05-21 12:11:01) |
4.《ネタバレ》 子供をテーマにしたオムニバス。記憶のあるうちに簡単に記しておく。ゲリラをやっている子供。虐待を受けていた少年院の子供。両親がエイズを発症している子供。廃品回収で自活している子供(兄妹?)。戦場で生きている子供たち。盗みを働く子供。両親が離婚しそうな富豪の子供と親に捨てられた子供。それぞれに点数を付けると、6・3・7・6・4・2・5。平均を四捨五入すると5点ですが、子供たちを苛む色々な環境をみせてくれた全体構成にプラス1点。問題提起くらいしかできない20分前後の尺で、かなりの密度の作品もあれば、平均点を下げている作品もある。よく分からないのもありましたが、それぞれのお国柄が出ていてバラエティに富んでいます。日本の監督が参加していたらどんなテーマを選んだことやら…。この邦題はかなり考えたと思うけど、自分はもう少しストレートに訳した方が良かったと思います。ほとんどの作品が言わんとしていることは、過酷な環境の裏側にいる「見えにくい子供たち」です。日常的に報道などで他国の様子は目にするけど、その向こう側にあんな子供たちがいることは自覚できない。頑張ってる子供たちを見せるための映画とは思わなかったです。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-02-24 03:22:45) |
3.どの話もヘヴィーな中に、ほんの少しの安らぎが見え隠れしているのでホッとしました。「チロ」で綿菓子を買うシーンや、あるべき場所でなさそうな遊園地のシーンに惹かれました。自殺の低年齢化が進む日本と比べてしまいました。生きていくことが苦しみなのか死ぬことが苦しみなのか、幾つになってもわかりません。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-24 02:01:39) |
2.そう、子どもは逞しい。「それでも生きる」生き物なんだよな。逞しい、というより、生きるしかないと思っている。これが、大人になってくると「死にたい」とか「生きてる意味あるのか?」という概念が湧いてくる。誤解を恐れずに言えば、ある種、子どもは動物みたいなものだと思う。動物は、生きるために生きる。自分の生存価値なんて考えない。子どももそう。だから、逞しく、というよりあらゆる手段を講じて生きようとする。この映画の作品群に出てくる子どもも、皆、逞しい。傷ついたり悲しんだりするが、絶望はしていない様に見える。でも、残酷なことに、時間は必ず一定の速度で前に進んでいくんだよな。彼らの今後を思うと切ない。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-11-21 15:23:20) |
1.私は一番最初のアフリカの少年兵の話が良かった。たとえば青空の下の畑(?)での大人の敵兵との撃ち合いなんか、そこが遊ぶにふさわしいような場所だけに、その唐突さ・非現実感から現実感が生まれてくるジワッとした感じなどが迫ってくる。破壊するために訪れた教室で、学ぶ夢に誘われる少年を、スニーカーを脱いだ足で見せた。言葉は寡黙で映像が雄弁という理想的な作品だった。“学校の夢”はラストの中国篇とも呼応している。また中国篇は“ゴミ拾い”でブラジル篇と、アフリカ篇は“戦争”でイギリス篇とつながり、“盗み”でジプシー篇とイタリア篇が通じ合っている(あのイタリア篇、夜の遊園地が夢のようにきれいだと思ったら、カメラがヴィットリオ・ストラーロだったのか)。いま世界での苛酷な子供の状況を多元同時進行的に捉えることが出来るオムニバスでもある。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-05-22 12:21:40) |